Author Archives: gokumax

先週の振り返り

先週の振り返り

学校生活も残すところあとわずか。来週に3つプレゼンテーション、5月に1つプレゼンテーションと期末試験があって終了である。もう講義はない。2年間本当に早かったなーと思いつつ軽い喪失感と卒業後の期待感とが入り混じった複雑な気持ちである。取り急ぎ、忘れないうちに先週の振り返りをしておきたい。

4/20-22
最後の講義やグループミーティングなど。この時期になると学生も皆慣れたものでグループワークは役割分担を明確にし、最低限の打ち合わせだけで済んでしまう。とはいえ、学校関連以外にも引っ越しなんやかんやで色々と忙しかったりする。月曜には会社に提出するために健康診断を受けた。人生初の180センチメートルに到達!!この歳になって背が伸びるなんてそんなバカなと思いつつ嬉しかったりする。

4/23(木)
スタンフォードウィークエンドでのバンドメンバーとコリアンバーベキュー。次に集まるのはジャパンツアーだねーなどと話し盛り上がった。

4/24(金)
一年生の日本人4人に送別会を開いていただく。マリナデルレイというヨットハーバーでこの日もバーベキュー。いやぁ、全然お世話しなくてごめんなさい。記念の品までいただいてなんとお礼してよいのやら。また日本で飲もうね。

4/25(土)
友人の誕生日会で3日連続のバーベキュー。さすがに胸焼けがする。夕方には家に帰ってこの日は養生。

4/26(日)
今日はブリザードエンターテインメントのイベントがUSC前の講堂でおこなわれるため参加予定。その前にアンドリューが遊びに来て大黒屋でラーメンを食す予定。

来週はプレゼンテーションラッシュが終われば週末はラスベガスで卒業旅行が待っている。150人くらい参加するようなので楽しみだ。ではでは。

ゴールデン・ブリーフケース

ゴールデン・ブリーフケース

昨年の同じ時期にも同じ内容の日記を書いたような気がするが、先週末はスタンフォード大学でC4C(チャレンジ・フォー・チャリティ)という大規模な学生ボランティア団体の企画するイベントがおこなわれた。一年間トータルでの学生一人当たりのボランティア時間、チャリティへの寄付金額、スタンフォードでのスポーツ順位によって勝敗が決まるのだが、USCは昨年に引き続き6年連続で優勝。再び優勝の証であるゴールデン・ブリーフケースを持って帰ることができた。ちなみに参加校はUSC、UCLA、UCI、UCF、UCバークレー、スタンフォード、ワシントン大学の7校…だった気がする。

そんなイベントの中で一番盛り上がるのがバトルオブザバンドという各校の代表バンドによるライブパフォーマンスなのだが、ベースギターとして参加。学生生活の最後を飾るに相応しいいい思い出となった。
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こちらはステージからの景色。1,000人以上の前で演奏するなんてもちろん初めての経験である。
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バンドメンバーとゴールデンブリーフケースとの記念撮影。

卒業まで25日。さて、レポートでも仕上げますか。

スマートフォンゲームに必要な4つの原則

スマートフォンゲームに必要な4つの原則

昨日はHuluでゲーム業界のアントレプレナーであるAndy Kleinman氏の講義。これまで多くのスタートアップを立ち上げ、4つエグジットに成功し、1つをIPOさせた実力者。現在はインディーズ映画のプロデューサーも務めている。

講義自体は凡庸で、ゲーム業界で働いていた人なら正直もう知っていることばかりであった。どこからか引っ張ったのだと思うが、いくつか面白い数字があったので挙げておこうと思う。

市場規模

Film 90B
Games 100B

多分これはアメリカ市場の金額だろう。

XBOX 80M
PS3 80M
Wii 100M

かつて市場を独占していた3つのゲーム機の普及台数。

2 billion smartphones

いかにスマートフォンの台数が桁違いで可能性を秘めているかが分かる。

150 times a day

一日に人が携帯をチェックする回数。150回‼こうやって数字で見るともはや人類はスマートフォンに支配されているような気さえしてくる。

1.5M apps
80% games

スマートフォン向けのアプリ150万のうち、80%がゲームであるということ。マネタイズが最もやりやすい分野なので妥当なところだろう。

small teams
focus on live operations
experts in user acquisition

スマートフォンゲームは従来のゲームと比較し「少人数のチーム」「ライブオペレーション(サービスイン後の運営)」「インストール数獲得のためのエキスパート」がキーになっているとのこと。

#1 Retention
#2 Engagement
#3 Viral Growth
#4 Monetization

ゲームが流行るために必要な4つの原則。1はいわゆる翌日もお客様が来てくれるか、という継続率である。3は口コミでどれだけ人を集客できる力を持っているか。4は最終的に集めたお客様がお金を払ってくれるかということ。#2 Engagementが良く分からなかったので質問してみると、どの場所で人が離脱しているか確認してゲームを修正していったりすることだ、とのこと。

この回答にはちょっぴりがっかり。これは当然のことで、もうPCオンラインゲーム業界は10年以上前からやっていることである。結局そのころからゲームのおける顧客データ分析関連は全く発展していないということになる。そこに頼り切っているのであれば、他との差別化には全くならないし、今後新しいものなんて生み出せないだろう。

$24B
By 2016

2016年までにスマートフォンゲーム市場は世界で約3兆円弱もの市場になるそうだ。2年で倍以上に膨らんでいるとのこと。

講義内容を聞いて、やはり日本のスマートフォンゲーム業界はいびつであれ多くの部分でアメリカより進んでいる部分があると感じた。ゲームを知らない人に向けた講義であることを差し引いても、言っていることがやや古いのである。もっと国境を越えてお互いに混じり合うことさえできれば、きっと日本企業のチャンスも飛躍的に高まるだろう。

クラウドゲーミング

クラウドゲーミング

シネマスクールの授業の中で、毎週Huluでおこなわれる授業があるのだが、その最後のプレゼンテーションとして「クラウドゲーミング」に関する発表をおこなうことになった。

クラウドゲーミングは、通常クライアント側(ゲーム機やスマートフォンやPC)でおこなう処理の計算をサーバー側でおこない、クライアント側に映像だけを送る技術である。理論的にはどんな高スペックのゲームでもネット環境さえあれば端末を問わず遊べるようになる夢の技術だ。現状コストやレイテンシ(映像遅延)、インターフェースなどの問題点が山積みではあるものの、そう遠くない将来ゲームの主流となるのは間違いない。

あと10年もすれば、映像のクオリティで差別化をすることがほぼ不可能になり、その後もコンピューターの処理速度が向上していくことで、サーバー1台で数百、数千もの高クオリティゲームを処理し、配信することができるようになるはずだ。その頃にはインターネットの速度も向上し、おおよそシビアな対戦ゲーム以外は全くタイムラグを感じることなくスムーズにゲームがプレイできるようになる。インストールする必要もない。

しかし、問題はビジネスとして始めるタイミングである。今始めても、少なくとも数年間は赤字を垂れ流すことになるだろう。かつてYouTubeがスタートした時、まともなビジネスにならず大赤字であった。それを乗り越えるだけの覚悟があるかどうか。

現状、主なプレイヤーはソニー、マイクロソフト、スクウェア・エニックスなどである。ソニーはすでにこの分野に数百億円規模の多額の投資をしているが、現状のビジネスとの兼ね合いもありどこまで積極的になれるかは疑問が残る。最終的にはぽっと出てきたベンチャーが市場をさらっていくのではないかという気がする。最終的にはコンテンツ次第であるが、最近のスマートフォンゲームとは違うベクトルの未来であり、なかなか興味深く見守っているのであった。

月桂冠は心身ともに卓越した者の頭上に

月桂冠は心身ともに卓越した者の頭上に

ずーっと前の話になるが、大隈重信の言葉で心に響いたものがあった。はっきりと一言一句思い出せるものではないのだが、確か以下のような内容だったと思う。

「体育に励むことによって、一時学問に遅れを取ることもあろう。しかしながら、最終的に月桂冠は心身ともに卓越した者の頭上に輝く」

日本にいた時、正直会社に入社してからというもの全く運動といった運動はせずに身体はたるみきっていた。アメリカに来てからマッチョな友人達の影響も受け、週に何回かアパートのジムでワークアウトするようになり、体重は6~7キロ程度落ちて(一年目一学期のストレスで痩せた分が大きいのだが)、なんだかとても身体の調子が良くなった気がする。昔は風邪ばかりひいていたが、全くといっていいほどひかなくなった。

日本に戻っても、この習慣は続けていけたらいいな、と思う。ただマンションにジムは付いていないので、ぶら下がり健康器でも買って懸垂でもしようかと検討中。今日はこれから友人達とサンディエゴに行く予定。コミコン以来なので楽しみだ。残り一か月、少しでも長く友人たちと時間を共に過ごして、卒業後もずーっと続く絆を深めていきたい。

Fast & Furious 7

Fast & Furious 7

先週金曜日は今アメリカで話題の映画「Fast & Fusious 7」(日本語名ワイルドスピード)を鑑賞。元々ハイスピードカーに焦点を当てた人気のあるシリーズなのだが、今回の作品は特別。シリーズで主演していたポール・ウォーカー氏が2013年に自動車事故で不運にも亡くなったからだ。事故以前に撮影自体は終了していたようで、ポール・ウォーカー氏はそのまま出演していた。

映画自体はド派手なアクションがてんこ盛りの爽快な映画であったが、最後の数分間ポール・ウォーカー氏のトリビュートが流れると、会場は静まり返ってすすり泣く声が。男の友情を感じるグッとくる内容であり、ポール・ウォーカー氏をよく知らない私も思わず涙が出そうになった。どこかで見た顔だと思って調べてみると、昔好きだった「シーズ・オール・ザット」という高校生青春映画に出ていたことが判明。これを観てアメリカのティーンエイジャーはこんな感じなのかーフムフム、と知った気になっていたのを思い出す。

映画の中とはいえ、「あの人が亡くなったのか」と思うと寂しいものである。それでもシリーズはこれからも続いていくし、大ヒット映画のヒーローとして、皆ポール・ウォーカー氏のことはきっと忘れないだろう。天国でも氏が大好きだったブルーのGTRに乗れますように。ご冥福をお祈りします。

ロサンゼルス周辺ラーメンランキング

ロサンゼルス周辺ラーメンランキング

日本人男子のソウルフードと言えばラーメンだが、ここロサンゼルスでも実は寿司と並んで人気が高い。傾向としては、人気店はほぼ100%が豚骨スープ。脂ぎったハイカロリーなラーメンを胃に流し込みながら、追加でどっさりとアペタイザーを頼んで1時間かけてペチャクチャ喋りながら食し、のーびのびになったラーメンをタッパーに入れて持ち帰るのがこちらのスタイルである。仕上げに砂糖のどっさり入った炭酸飲料の代わりにダイエットコーラを飲んでカロリー調節した気分になるのを忘れずに。

では私的ラーメンランキングベスト10をどうぞ!!

1.Tsujita Annex

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この写真を見てあるモノが浮かんだあなたは立派なジロリアン。Tsujitaは「東京で食べたあるラーメンに感銘を受け…」と店内に店の成り立ちを記載している。そう、Tsujitaは紛れもなく所謂一つの「ラーメン二郎インスパイア系」であり、その二郎の誇り高いスピリッツを遠く離れたアメリカの地に伝えようと目論む志高きラーメン屋なのである。そもそもラーメンランキングに書くには抵抗があった。なぜならッ!ラーメン二郎とはッ!!ラーメンという小さなカテゴリでは一括りにできぬ「二郎」という食べ物でありッ!!ひとつ間違えると家畜のエサ…いや、失敬!!あまりここで書くと長くなりそうなのでやめておくことにする。

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こちらはつけ麺である。つけ麺もあるのが二郎とはやや異なる部分だろう。また、二郎と違って注文時「ヤサイマシマシアブラカラメトウガラシ」といった魔法を唱えることはできないので注意しよう。「Excuse me?」と怪訝な顔で聞かれるはずだ。ちなみにつけ麺はあまりアメリカ人にはウケがよくない。時間をかけて食べるのだから麺がのびないつけ麺はピッタリな気がするが、友人曰く「Too much work(付けて食べるのが面倒くさい)」だそうだ。アメリカも奥が深い。

2.もんぞう

リトルトーキョーは超人気店大黒屋のすぐ隣に店を構える恐れ知らずのうどん屋がもんぞうである。ラーメンではないのだが、アメリカ人からするとあまり差がないようなのでランキングに入れることにした。大黒屋と客を奪い合うかのように、最近は行列が伸びつつある。

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こちらが看板メニューのうにクリームうどん。なんか見たことあるなーと思い、「これ、つる○んたんのような感じですか?」と店員さんに聞いたところ「参考にさせてもらいました!」とのこと。なかなか正直で好感が持てる。この店の魅力は、実際に麺を打っているところが食べながら見られるところ。アメリカ人ウケがいいのはそんなところにも理由があるようだ。味も美味しく、香港人で自称美食家の友人曰く「ミシュランレベルだ!」とのこと。ただし、うにクリームうどん以外は本当に普通のうどんなので注意。初回は必ずうにクリームうどんを注文しよう。

3.山頭火

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日本でも昔からの有名店、山頭火が3位にランクイン。とろにくラーメンはとにかくチャーシューがとろけて美味しい。トーランスまで行かないと食べられないのが玉に瑕か。インターンシップ中によくお世話になった。

4.Tsujita

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4位には1位にTsujita Annexに続きTsujitaの本店がランクイン。写真はチャーシューつけ麺。アメリカでは珍しく、日本でも比較的新しい部類に入る「魚介豚骨系」のスープとなっている。ラーメンはごくごく普通のとんこつラーメンのため注意が必要。チャーシューはよく煮てあってとっても美味しい。作る人によってチャーシューの厚さが倍くらい違ったりしてたまに残念なことがある。結構ヘビーなのだが、アメリカ人はこれにいくら丼やネギとろ丼を注文することが多い。いやはや。

5.TETSU

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Tsujitaのすぐそばにあり、営業時間をTsujitaより長くしてガチンコ勝負を挑む男らしい店である。店内が広いため行列はさほど目立たないが、ひょっとするとTsujitaと同等、またはそれ以上に売れているかもしれない。ラーメンは全てiPadによって注文するという、ラーメン屋らしからぬ先進的な文明を取り入れている。基本的に王道のとんこつラーメンなのだが、個人的にこの店の一番の魅力は「のりトッピング無料」である。テーブルにはきざんだのりがどっさり詰まった箱が置いてあり、いくらでも入れることができる。あまり店員の前で大量にのりを入れるのは気が引けるので、店員の目を盗んではササっとスマートにのりを追加し、店員が気付いた時には時すでに遅し、真っ黒のりラーメンが完成しているというのが私のいつもの楽しみかたである。

6.麺王

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ロサンゼルスに来て初めてまともなラーメンを食べて涙した思い出の味。麺王は「徳島ラーメン」という日本でも珍しいジャンルに果敢に挑戦している。スープは味噌+とんこつだろうか。味は申し分ないのだが、店員さんで日本人がいないために一部の人からフェイクと見なされ、あまりアメリカ人の呼び込みがうまくいっていないのが残念である。

7.新撰組

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こちらはおそらくLAで最も商業的に成功しているのではないかと思われる「新撰組」。リトルトーキョー店は50席近くあるにも関わらず常に満員である。店員さんがとにかく元気で雰囲気がいい。7ドル程度からと安いのもポイントだ。正に王道のとんこつラーメンであり、替え玉も可能である。あ、ちょっとラーメン食べたいなーという時にピッタリのお店。

8.大黒屋

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行列の長さNo.1と言ってもおかしくない超人気店。味は…まぁまぁ。麺に正直イマイチ感がある。ボリュームたっぷりのとんこつラーメンがメインで、写真は新メニューのスパイシーな味噌ラーメン。ネギのトッピングを頼むと大量のネギをトッピングしてくれるのでおススメだ。また、店内は昭和の日本をモチーフにしたデザインになっており、アメリカ人を連れていけばきっと喜ぶんではなかろうか。

9.満一

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大黒屋、もんぞうリトルトーキョー1stストリート2強時代に待ったをかけた新店舗。店内は広々としていて、清潔感もあり◎。おしゃれ系のとんこつラーメンというイメージで、こがしにんにくなど、日本で流行ったトッピングが選り取り見取りである。ただ、コストパフォーマンスがやや悪い。とんこつラーメン食べたくなって、新撰組がやたら混んでたら仕方なく行くかな、という感じ。

10.吉野家(番外編)

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こちらはなんとあの吉野家のラーメン。ロサンゼルスで食べたラーメンの中で一番美味しくなかった。作る人にもよるのかもしれないが、麺はダマになっており肉は牛丼の味付けのままで違和感あり。ショウガを足せるのが唯一の救いだろうか。吉野家は値段が安すぎて逆に低所得者層しか行けないような雰囲気になっているのが残念。店内で食べる場合も発泡スチロールの容器で雰囲気が出ない。アメリカ人からはフェイクジャパニーズフードだと思われている。日本も苦戦しているようだが、なんとか迷走から復活してほしいものだ。

おしまい。

Battle of the bands

Battle of the bands

先週金曜日はBattle of the bandsというUSCのチャリティークラブ主催のイベントに出演。3つのバンドが出演し、無事我々のバンドが優勝したため、来月スタンフォード大学でおこなわれるチャリティーイベントで何百人もの観客の前で演奏できることになった。やったね!ちなみに私のパートはベースギター。

思えば高校生の時は洋楽ばかり、ステレオにかじりつきながら何時間も飽きずに聴いていた。御茶ノ水の楽器屋やCDショップを何時間もウィンドウショッピングして周る典型的なロック好き少年だった。それが大学に入り、社会人と年を取るにしたがって不思議と音楽を聞かなくなり、姉に頼み込んでお金を借りてまで買った自慢の白いベースは次第に埃を被っていった。

もう楽器を弾かなくなって10数年も経ち、もう一生弾くことはないだろうと思っていた矢先、遠い異国の地でまた音楽を聴くようになり、ベースを弾いているのだから不思議な気分である。10数年間を経て、CDはデジタルに、楽譜は本からウェブサイトになった。昔みたいに2,000円の楽譜を30分迷った挙句、深呼吸してから買うこともなくなった。音楽業界が急速にシュリンクしているのは寂しい話ではあるが、本当に便利になったものである。

なにはともあれ、なんだか久々に青春時代に戻ったような気持ちで嬉しいのであった。

Expectation

Expectation

某公益法人向けに書いていたレポートが終わったのでほっと一息。今日はこれからUSCにまたスティーブ・バルマー氏がやってくるので話しを聞きにに行く予定。バルマー氏はお子さんがUSCに通っていることもあってかどうやらUSCが好きらしい。先日行ったGame Developer’s Conferenceの話によれば、マイクロソフトは将来的にWindows、Xbox、Windows Phone、最近話題のHoloLensなどをAPIで統合していく計画のようで、そのあたりのゲームの面白い話が聞ければいいのだが、さすがにもうバルマー氏は退社しているので知らないだろうか。

こちらに留学してきて本当に様々なことを学んだが、一つ学びとして大きかったのが、全てのサービスの価値は「Expectation」に基づいているということである。シネマスクールの講義を聞いていて良く語られたのが、「Meet expectation」「Exceed expectation」という言葉である。

人は常日頃から自分の常識の中で生活している。何かサービスを受ける時、あるいは映画を観に行く時、気づかない間に自分の中で内容を予想し、期待値をセットしている。それを実際のサービスが上回ると「良かった」となり、下回ると「酷かった」となるわけである。例えば、ファイナルファンタジー13-2のAmazonの評価はたったの2.5/5である。これが新作のゲームだったなら、どうだろうか。「凄いグラフィックのゲームだ」とおそらく高い点数が付くだろう。ただ、ファイナルファンタジーシリーズとしてはややがっかり感があったのだろう。「想像していたのと違う。」これが低評価に繋がるのである。結果を出せば出すほど次回の「Expectation」は上がっていく。EYのコンサルティング部門が提唱している指標でBrand Integrity(BI) = Experience / Expectationというものがある。期待値を上回り続けることで、真のブランドであると認知されるわけだ。実に分かりやすい。

ここでExperience / Expectationがある一定値を超えた場合には、「驚き」や「感動」といった効果をもたらす。人は感動すると、誰かに話したくなる生き物である。それは口コミで広がり、素晴らしいサービスやコンテンツとして認知されることになる。例えばZapposというオンライン靴販売の会社は超手厚い電話でのカスタマーサポートが「驚き」や「感動」をもたらし、かけた費用以上に宣伝効果を獲得できている。

これは仕事をする中でも言えることだ。常に会社やチームからの要求の期待値を超える仕事をすることで、自分への信頼は高まる。その繰り返しだろう。たまに「驚き」「感動」レベルの仕事を織り交ぜることで、さらに信頼を高めることができるかもしれない。

スクウェア・エニックスのIkumori氏が来校

スクウェア・エニックスのIkumori氏が来校

中間試験も終わり、卒業前最後の春休み。今のところは特に遠出をすることもなく、政府関連の法人から依頼のあったレポートをせっせと書いているところ。文章を書くのは元々あまり得意なほうではないのだが、学校で書く他のレポートと違って参考文献を大量に並べる必要もなく、自分で思ったことが書けて面白い。内容はMarshall School of BusinessとそのGraduate Certificate in the Business of Entertainmentについて。この2年間を振り返る意味でもいい機会になった。

昨日は某スタートアップから中期経営計画策定の手伝いをしてもらえないかという依頼を受け、今週はその資料作成もすることになったので、遠出しなくてもそこそこ忙しくなりそうである。

ところで先週の木曜日、USCにスクウェア・エニックスのIkumori氏が来校し、CG製作のレクチャーをおこなってくださった。Ikumori氏は過去20年に渡りファイナルファンタジーをはじめとして数多くのゲームにCG製作の責任者として携わっているお方。彼のずらりと並んだ作品ポートフォリオが画面に表示された時、司会の教授が”This is the most impressive portfolio I have ever seen.”と言い、会場がどっと沸いたのが印象的だった。日本のゲームの影響力が世界で弱まったとはいえ、ゲームファンは皆日本産ゲームで育った人ばかりなのだ。日本人として誇らしい瞬間であった。

通訳を介してのレクチャーは大変内容の濃く練りに練られたものであり、特にCG課の学生にとっては大変ためになる、スクウェア・エニックスに入社したいと思わせる素晴らしいレクチャーだっただろう。このような試みは日本のゲームのプレゼンス向上にも役立つはずであるし、是非続けていって欲しいものである。