Monthly Archives: 5月 2015

卒業

卒業

書物のほんとうの喜びは、なんどもそれを読み返すことにある。
-D・H・ロレンス

ということで、この備忘録も書き始めて早2年、改めて読み返してみると在りし日の思い出がありありと蘇ってくる。自分の記録のためにつけ始めた日記であり、乱雑な内容かつ不定期更新だったが、もし読んでくれて少しでも楽しんでくれた方がいらっしゃったのであれば幸いである。

5月15日に無事USC Marshall School of Businessを卒業、一旦ここでブログも卒業としたい。最後に振り返りとして、MBAに来て大きな学びとなったことをまとめておきたい。

1.人脈

アメリカには「ハグ」という習慣がある。挨拶代わりに軽く抱き合う、まぁ簡単に言えば握手の延長線上にあるものだ。ある程度仲良くなるまでこの「ハグ」は続くのだが、不思議なもので一定以上仲良くなるとパーティで会ってもハグをしなくなるのである。近い間柄でしょっちゅう会っているのにハグをするのは気恥ずかしいのだ。そんな「ハグをしない友達」がたくさん増えた。皆卒業後世界中に散っていくが、Whatsappの仲の良い友達グループでテキストが飛び交わない日は、卒業したこれからも、一日たりともないであろう。

仕事関連でもネットワークは本当に大きく広がった。ブリザードの社長宅にも遊びに行けたし、何社かこちらのゲーム会社の日本進出をお手伝いすることもできた。どこのゲームのイベントに行っても、誰か日本人以外の知り合いに会えるようになった。確実に今後人脈として活きてくるはずだ。

2.英語

本当に英語を完璧に話し、使いこなそうとするなら、2年の留学は全く足りない。恐らく、10年いても完璧にはならないであろう。しかし、100%コミュニケーションに困らなくなった。喜怒哀楽を友人達を共有できるようになった。アメリカ人との仕事でも大きなディスアドバンテージはなくなり、逆に既成の枠にとらわれない不思議な英語を駆使してアメリカ人を笑わせられること、日本語を100%使えることがアドバンテージとして活かせるようになった。

3.プレゼンテーション

英語でのプレゼンテーションは準備の時間さえあればばっちり決められるようになった。そしてセンスがいい人のパワーポイントのテンプレートをストックすることでやたらかっこいいスライドを作成できるようになった。地味に仕事で一番使うことになるであろう。

4.知識

経営全般に関する知識を得ることができた。最も重要なのは、業務上で課題がある時に、アプローチの仕方がロジカルに思い描けるようになったことである。必ずしも毎回ロジカルなアプローチが正しいとは限らない。但しその目的が多くのステイクホルダー(社員など)と腹落ちするアプローチを共有し、同じ方向を向いてもらうことであるなら、一つの手段としてこれは非常に有効であると言える。

これからまた新しい生活が始まる。この2年間が人生最高の二年間!と言いたいところだが、これからの人生をもっと素晴らしい時間にしていけるようにしたい。留学記はこれでおしまい。ただ、たまーに書いたりしてもうちょっと続きます。多分。Fight on!!

全てのプログラムが終了!!

全てのプログラムが終了!!

昨日の期末試験をもって、MBA全てのプログラムが終了。後は15日におこなわれる卒業式を残すのみである。入学した時は永遠に続くことのように感じられたが、終わってみれば本当にあっという間であった。楽しいことばかりでなく、つらいこと、寝る間もないほど忙しいことも度々あったが、今思えば全ていい思い出である。この場を借りて、今回の留学を実現させてくれた全ての人、留学を素晴らしいものにしてくれたクラスメート、そして知識を与えてくれた教授たちにお礼を言いたい。何をもって成長というのかは人それぞれだと思うが、間違いなくかけがえのない経験であり、人間として大きく成長できたと信じている。

先日Huluで、ゲーム業界の新規ビジネスについて最後のプレゼンテーションをおこなった。20分の持ち時間が切れ、最後の「Risk」についてのスライドについて、”There are risks but whatever!”(リスクはあるけどどうでもいいよね!)と言って終わらせたところ、クラスが笑いに包まれた。その後、友人から「”There are risks but whatever”ってMBAで学んだことの中で一番重要なことかもしれないね」と言われた。半分冗談だが、確かにその通りだなぁと思う。リスクを取らずに一日、また一日と漫然と過ごしていては、ついにはできるはずだったこともできずにきっと一生が終わってしまう。

ブログに書こうか迷ったが、実は先日クラスメートの一人が亡くなった。28歳であった。卒業旅行の直後であり、卒業の直前というタイミング、残念でならない。最後の彼女との思い出は、サンダンス映画祭。20人くらいの友人達と同じキャビンに泊まったのだが、翌朝5時頃映画のチケットを買いに行く際に、彼女も一緒に行く予定になっていたものの、彼女の部屋から寝息が聞こえたためそっとしておいたのを覚えている。映画好きの彼女は非常にスマートで、パラマウントでインターンシップをし、将来映画業界で働くことを夢見ていた。同じGraduate Certificate in Entertainment Businessの取得を目指していた仲間だった。そこまで近しい間柄ではなかったものの、聞いた時のショックは大きく、卒業旅行での元気な写真を見ると今でも信じられない。

勿論長生きしたいが、いつ人生を終えても悔いのないよう、精いっぱい生きていこうと心に誓うのであった。

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こちらはCiscoのエンジニアになる友人ブランドンからのプレゼント。ベースギターに使うエフェクターである。彼はエフェクターを自ら製作し販売しており、スタンフォード大学でおこなったコンサートで組んだバンドのメンバーの一人でもある。今回は私に合わせて特注で作ってもらった。ミニマリズムを追求し、マルチエフェクターでありながらスイッチは一つしかなく、エフェクトの効果を変更するためには蓋を開けなければいけないこだわりようである。将来彼が有名になってプレミアムが付くといいな。

Dis Orientationと妻の訪米

Dis Orientationと妻の訪米

先週の3連続プレゼンテーションも無事終わり、すっかりブログの更新を忘れたまま、先週末はDis Orientationという卒業旅行があり、ラスベガスへ。ロサンゼルスの人々にとってラスベガスは車で5時間程度の距離ということもあり、非常に身近な保養地である。全然規模感は違うものの、気軽さとしては東京→伊豆くらいの気分と言えば分かりやすいだろうか。実はホテル代も競争が激しいため案外安かったりする。みんなで楽しく騒いで写真を撮って、なかなか最後にいい思い出になった。

月曜日には妻が私が留学してから2度目の訪米。バレエをしている妻にどうしてもシルクドゥソレイユを見せてあげたかったこともあり、火曜の朝から思いつきでなんと再度ラスベガスへ1泊2日の強行軍。KAを鑑賞してただいま家に戻ったところである。楽しんでくれたようでよかった。芸の肥やしになってくれれば幸いである。

本日は夜から友人とコリアンバーベキューの予定。USCから一年前にフランスのMBA、INSEADに転校した友人が卒業旅行?で現在ロサンゼルスに滞在中なのである。本当に久しぶりの再会なので楽しみ。