円安

円安

1ドルが103円を突破し、留学生にとってはなかなか懐事情が厳しい状況が続いている。では果たして今後は円安になるのだろうか。それとも円高に戻る?ファイナンスの理論上は、長期的にはまず間違いなく円高に振れると思っていいだろう。

通貨の価値は、毎年インフレ率によって目減りしていく。翌年のドルの価値は円換算で計算すると(現在のドル円レート)/1+(アメリカのインフレ率)―(日本のインフレ率)であり、IMF – World Economic Outlook Databases (2013年10月版)によれば、アメリカのインフレ率2.08%と比べ、日本のそれはマイナス0.04%である。つまり日本円と比較してアメリカドルは毎年2%程度価値が目減りしていっている。ドルのタンス預金は禁物である。

現在アベノミクスではインフレ率の目標(インフレターゲット)を年間2%に据えている。マイナス0.04%からの目標達成はなかなか困難であるが、仮に2%を達成したとしてもアメリカのインフレ率2.08%と比べて低いため、徐々に円高は進行していくことになる。長期的なスパンで考えた場合、日本経済が崩壊してハイパーインフレでも起きない限りはまず間違いなく円高に振れると思っていい。現在円安になっているのはアベノミクスの登場によって将来のインフレ予測(≒円の将来価値)に変化が生じたため、一時的な揺り戻しが起きているに過ぎない。

ただし、この予測を元にFXで儲けようと思ってもうまくいかない。「スワップポイント」と呼ばれる金利格差ボーナスのようなものが存在し、金利の高い通貨(ドルなど)を売り金利の安い通貨(円など)を買い保持し続けると、金利格差の差額分がマイナスになるためボーナス分を支払わなければいけないのだ。世の中よくできているものである。

タンス預金なら、インフレ率マイナス0.7%のスイスフランあたりをおススメします。

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