Feature Film Financing and the Studio System その6

Feature Film Financing and the Studio System その6

先週末はC4Cというチャリティークラブが主催するパーティの前に近所の焼き鳥屋Kokekokkoにて一年目の日本人、二年目のアジア人たちを交えて食事。混んでいると食事の提供が遅くなるのがネックだが、なかなか美味しい焼き鳥屋で店主がなぜかいつも酔っぱらいながら焼き鳥を焼いている。

久々に焼き鳥を食べると日本を思い出す。わたみんちやぐりどっちんなど、仕事上がりにやすーい店に友人と通ったもんである。お通しをカットすれば、たくさん飲んでも大抵2,000円台。こちらだと同じクオリティで倍の支払いはまぬがれない。なんか安くていいお店が近くにあるといいのだが。

今回も映画の授業まとめの続き。今回は映画館についての話。

映画館は、昔から今まで映画界におけるその重要性は変わっていない。北米の65%の映画館は現在4つの会社に所有されている。1948年~1980年にかけて、アンチトラストの関係でスタジオが映画館を所有することはできなかった。垂直統合型のビジネスは不可能だったのだ。1980年代、アンチトラストの仕組みが変更になり、スタジオがシアターを所有できるようになり、ソニーピクチャーズなどが製作から興行まで一気通貫の仕組みを作ろうと頑張ったのだが、あえなく失敗して撤退した。映画館とは非常に利益の薄い商売であり、一つのスタジオ作品をひいきにしてしまうと儲からないのである。

ディストリビューター(映画を映画館におろす側)と映画館側の利益配分は比較的シンプルである。Box Officeと呼ばれる1週間のチケット総販売額からHouse Nuts(電気代などの場所代、通常1つのシアターで$5000程度)を引き、以下のように配分する。

Week 1 ディストリビューター90%/映画館10%

Week 2 ディストリビューター80%/映画館20%

Week 3 ディストリビューター70%/映画館30%

Week 4 ディストリビューター60%/映画館40%

Week 5 ディストリビューター50%/映画館50%

Week 6 ディストリビューター40%/映画館60%

Week 7 ディストリビューター35%/映画館65%

Week 8 ディストリビューター35%/映画館65%

Week 9 ディストリビューター35%/映画館65%

Week 10 ディストリビューター35%/映画館65%

ディストリビューターとしてはできるだけ長く映画館で映画を公開してほしいので、後半の映画館側の取り分を高めるわけだ。それでも大抵の映画は5週目くらいで打ち切られる。莫大な予算をかけた映画などは、初週の取り分を70‐30などに変更し映画館側のメリットを高めることで、公開シアター数を増やしたりもするらしい。逆にあまりにも人が入らなかった場合も、交渉によってこの数字を変更できる機会があるそうだ(ユニバーサルを除く)。ちなみにアメリカでは映画館側がチケット代を決めることができ、映画館によって結構値段が違ったりする。

映画館にとって、実はチケット代だけだと全然元が取れない。そこで儲けるために登場するのが「ポップコーン」である。もちろんソーダ類も利益率が高いのだが、カップがつやつやしていて多少コストがかかっているらしい。15年前に無視されていた予告編などの広告類も、徐々に売上の上がるコンテンツとして認識されつつあるようだ。ということでみなさん、映画館に行ったらポップコーンを買ってあげましょう!

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