BOBAとFeature Film Financing and the Studio System その7

BOBAとFeature Film Financing and the Studio System その7

こちらロサンゼルスではBOBAという大き目のタピオカが入ったドリンクが人気である。食後は半ば病みつきになった友人たちがBOBA入りドリンクを買い求めに近所のカフェに繰り出している。BOBAの入った甘~いコーヒー一杯で約5ドル。主にアジア人が好んで飲んでいるが、徐々にその他の層にも浸透してきているように感じる。台湾発祥だそうで、日本にあるかどうか調べてみたところほんの少ししか提供している店はないようだ。本格的にマーケティングをして拡大していけば日本でも案外大きなビジネスになるんではなかろうか。

最近映画ファイナンスの授業まとめばかりになってしまっている気がするが、やっぱり今後役に立ちそうなので今日もまとめておこうと思う。

映画の公告で最も予算をかけるのは、やっぱりアメリカでもTVCMらしい。いかに同時期に上映されるほかの大作映画と比較して差別化できているか(アンケートでその時期観に行きたい映画のNo1になっているか)が重要で、そのためにバンバンお金をつぎ込むらしい。アメリカのTVCM顧客No.1は圧倒的に6大スタジオなんだとか。そのため、木曜夜のCM単価は6大スタジオのせいで月~水と比較して約2倍にもなる。金曜日から週末にかけて皆映画を観に行くからである。日本ではそんなに映画のCMは流れていない気がするので、不思議な気もする。毎年5月の後半2週間ほどの間に、テレビの広告枠の85%が代理店に売り渡される。代理店の前でテレビ局がプレゼンテーションをして枠を買ってくれ!とせがむわけである。残りは一応取っておいて、後に安くなったり高くなったりする。

ちなみにそのCMを見ているのは50代以上が多い。若年層はNetflixとかHuluといったサービスを通じてCMなしでTVを見ており、NBCなどのメジャーネットワークのTVを見ている人はとっても少ない。でもやっぱり体感的にCMが一番効果がありそうなので、やるしかないのである。しかもそれでいてTVCMの費用は年々上がっているそうで、教授曰く毎朝靴下の一方が見つからないのと同じで、不可思議現象であるとのこと。

ハリーポッターの最終作はマーケティングだけで1.3億ドルのお金を使った。もうみんなが知ってるハリーポッター最終作なんだから広告なんか必要ない気がするが、映画のマーケッターが知っている勝利の方程式はこれしかないので、やっぱりお金を使わざるを得ないようだ。1000億円規模の映画なんだから、そのくらい税金レベルだよ、とのこと。結局どんなに頑張っても、ウェブ広告のようなデータが取れる媒体が増えたとしても、マーケティングは答えをはっきり出せない非常にあやふやなものなのである。結局ウェブで安価に顧客にターゲッティングできるようになったとしても、今までの広告を続けながら+αのお金の支払いになるし、同業他社も同じことをするだけなので結局広告に使うお金が増えただけに過ぎないのだ。費用対効果の測定については「とっても賢い人たち」が色々と頑張っているらしいが、残念ながら最終的に答えがでることはないだろう。せいぜい役員に報告する際の資料の精度が増すくらいである。

昔から一番安い広告はパブリシティ。プレスリリースとかインタビューとかの類であり、基本的にほとんど元手がかからない。スターを集めての記者会見はJunketと言われ、36時間で1億円と結構なお金がかかるが、一日で多くの媒体の面を獲得できるので、非常に効率がいいとのこと。

映画上映開始前のトレーラーは唯一非常に効果が高いとわかっている媒体であり、しかもシアター側とディストリビューター側の関係性により無料である。約10分間で5タイトルほど。最後の1タイトルはディストリビューターが取り扱っている作品と相場が決まっている。昔トレーラーの枠を買おうとした某スタジオの社員が即クビになったそうだ。阿吽の呼吸でアンタッチャブルな領域というのはどこの業界にも存在するのだろう。今は比較的仲良くスタジオ同士で配分できているようだ。当然ファミリー映画の前にホラー映画のトレーラーなどは流さないように気を付けているとのこと。

うーむ、書くことが多すぎるので続きはまた次回。

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