アメリカにおけるテレビドラマ製作の流れ

アメリカにおけるテレビドラマ製作の流れ

こちらのテレビ業界のことも授業を通じて分かってきたので一旦まとめ。FXテレビのトップから直接授業が受けられるのはUSCならではである。ちなみに、私は日本のテレビ業界のことは全然知らないのであしからず。

1.脚本家などからの企画プレゼンテーション(ピッチ)がスタジオエグゼクティブ向けにおこなわれる。

2.スタジオエグゼクティブがどの企画を通すべきか判断し、Goが出たものに関してPilot(サンプルで3~4話)の製作がおこなわれる。

3.Pilotをテストして、観客の受けが良ければ10話分(1シーズン)の製作がおこなわれる。

4.その後1シーズン目の視聴率が良ければ、追加90話分の製作が決定する。(10/90と言われる仕組み)

アメリカのテレビドラマは映画ほどではないものの、一話3~4億円もの製作費がかかるそうで、スマートフォンのかなりハイスペックなゲームが1話につき1本作れてしまう計算である。それだけのリスクをスタジオが一手に引き受けるのは大変なので、MVPD(Multiple Channel Video Distributor)と呼ばれる配信会社(AT&Tなど)が初期の段階で一部負担することになる。スタジオがメーカーとするならば、MVPDは小売業者と言えるだろう。足りない部分はDeficit Financingといって社内外からファイナンスすることになる。スタジオはDeficit Financing分をDVD販売や海外へのライセンス、その他流通チャンネルからの利益でまかなうことになる。

授業を受けていて思うのは、日本のテレビ業界は非常にいびつであるということ。一部のキー局が電波を独占している状況は、健全な競争とは言い難いだろう。ただ、その絶対的な地位もインターネット、デジタルビデオレコーダーの登場によって崩れつつある。広告収入に頼ったビジネスモデルはやがて衰退していくだろう。その時、Netflixのような新しく効率的なサービスに対してキー局がどうやって競争をしていくことになるのか、今後注視していきたい。

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