サンダンス映画祭その1

サンダンス映画祭その1

BEA(Business of Entertainment Association)のイベントでただいまユタ州で催されているサンダンス映画祭に参加中。こういったイベントがあること自体USCらしい。近くでソルトレイクシティーオリンピックが以前開催されたこともあり、結構寒くて友人の一人が風邪を引いてしまった。

このサンダンス映画祭は元々「明日に向かって撃て!」や「スティング」などで有名な2枚目俳優のロバート・レッドフォードが小規模に始めたものであったが、現在は全米最大規模の映画祭となっており、映画関係者が多数やってくる。友人がニコール・キッドマンに近所のバーで会ってはしゃいでいた。インディペンデント系の映画製作者は通常こういった映画祭で映画会社にピッチ(プレゼンテーション)をして製作資金を調達する習慣がある。6大スタジオのシステム外にいる彼らにとっては、資金と流通網を同時に獲得する上でまたとない機会なのだ。

昨日は計3本の映画を鑑賞。ちょっと感想を書き留めておきたい。スタジオ映画とは違って枠にとらわれない作品ばかりでなかなか面白い。ストーリーが面白ければ予算規模は少なくともいいものが作れるということを再確認できた。

1.The Bronze

今年の映画祭でも人気の1本。オリンピックで銅メダルを獲得した女性体操選手がその後コーチとして成長していく様子を描いている。とにかく見どころはこの主人公の自己中心的な破天荒ぶりである。かなり衝撃的なシーンが多く、その度に会場は沸きに沸いた。そんな雰囲気を運良く監督の3つ隣くらいの席で味わうことができたのだが、この監督、なかなか若い。30後半くらいだろうか。是非今後もいい作品を世の中に出してビッグになってほしいものである。

2.Christmas Again

こちらは純文学的な作品で、クリスマスツリーを売る男性とその日常、人間関係を描いた映画である。あまりに何も起きない映画なので半分くらい寝てしまった。開始10分くらいで寝てしまい、しばらく経って起きた時に焦って友人に「何か展開あった?」と聞いたところ「なんにも起きていない」との返事。最後までそんな調子で映画が終わった時には思わず友人と顔を見合わせる始末。純文学好きの人にはいいかもしれないが、それ以外の人にはあまりおススメしない。

3.Wild Tales

6つのショートストーリーで構成されており、全てのストーリーが「復讐」を題材にしているちょっぴり怖い作品。とはいえユーモアに溢れており、ゾッとするシーンこそあれ喜劇を観ているようでなかなか面白い。アカデミー賞へのノミネート作品ということで、日本でも近い将来見られるようになるのではないだろうか。アルゼンチンで撮影がおこなわれており、言語はスペイン語。15ドル出して観る価値は十分あるだろう。

この映画祭のもう一つの魅力は他の観客との一体感だろう。映画館は300席以上ある場合障害者の方のために通路を広げなければいけない規定があり、新しいシネコンなどは大体シアターあたり299席となっている。恐らくサンダンス映画祭で使用されているシアターは昔に建てられたもののため席が数千席あるものもあり、劇を観ているような雰囲気に近い。その2に続く(多分)。

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