リトルトーキョー

リトルトーキョー

ダウンタウンのリトルトーキョーと呼ばれる地区の中心部のアパートに住んで4ヶ月近くになるのだが、実はまだ一度もアパートで日本語を喋る人に会ったことがない。日本人が英語を喋っている可能性もあるが、ネイティブでなければ発音で分かるので、多分日本人にすら会ったことがない。

じゃあ誰が多いのかというと、圧倒的に韓国人、次いで中国人。日本人は「その他」というくくりになるだろう。
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こちらはリトルトーキョーのメイン通りに設置してある新聞の自動販売機。韓国語のLA Timesは売っているが、当然日本語のものは存在しない。日本料理店ですら多くが韓国人によって運営されている。

どこに日本人がいるのかというと、第一に観光客。あとは一部の日本料理店、日本語対応のできるショップ店員としてひっそりと存在しているだけである。つまり、リトルトーキョーは「日本人観光客をもてなす韓国人と中国人の町」と言ってしまってもいいかもしれない。そのくらい人口の差を感じる。

理由を考えてみると、日本とアメリカの所得の差が大きかった昔と比べ、今はどちらで働いても同じような給料が得られるため、日本から出稼ぎに行く理由がそもそもなくなったのではないだろうか。よく「内向きの日本人」とか、「若者は海外に行け!」という人がいるが、メリットがないのならそもそも行く理由がなくなってしまうのは当然だ。その結果、リトルトーキョーの日本人は日本へと帰り、代わりに韓国、中国から出稼ぎの人々がやってくるようになったのではないか。あくまで推測。韓国人の運営している寿司屋は案外美味しいし、食材も日本の物が手に入る。日本人にとって住みやすい町にかわりはないのだが、ちょっとだけ寂しかったりもする。

ちなみにUSC Marshallでは授業の一環として来年の春に「世界各国を回って各社の問題を解決しながら現地の文化も学んじゃおう」というツアーがある。全部で5つのコースがあり、私はペルーなど今後行く機会のあまりなさそうな南アメリカを希望しているが、実は多くの学生の間で人気なのは「日本」だ。

日本人がリトルトーキョーから消えていったのは、日本国民の平均所得と日本の国際的な存在感がアップし、日本が多くの人から憧れられる国となったことの裏返しなのかもしれない。

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