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USC Marshall School of Business -なぜ留学するのか-

USC Marshall School of Business -なぜ留学するのか-

渡米前になぜ留学しようとするのか、何を学びたいのか、まとめておきたい。今後ブレないために。今の気持ちを忘れないために。

アメリカの大学院に留学する理由であるが、主に以下の2つである。

1、アメリカのビジネス、エンターテインメントビジネスを学びたい

2、在学中にインターンを獲得し、いい働きをすることが現地のエンタメ企業に就職するほぼ唯一の道である

まず1について。15年程前、日本のゲームは世界を席巻していた。世界のコンシューマゲーム売上シェアの7割を日本製のゲームが占めていた。ところが今は2〜3割である。なぜそうなってしまったのか。理由は資金調達とマーケティングの違いにあると私は思っている。アメリカでは100億円規模の予算を投じたゲームがバンバン開発されているが、日本でそれをやろうと思ってもできない。プロデューサーは企画書を持って自分の会社から予算をもらうことがほぼ唯一の資金調達であり、100億予算をかけたゲームの企画が通るはずがない。失敗した場合に会社が傾くからだ。アメリカは金融機関も含めプロジェクト単位で資金調達する「ハリウッド型」と言われるファイナンススキーム・リスク分散の仕組みが根付いている。もちろん資金調達のためには資金を回収するために世界で売れるという裏付けとマーケティングプランが必要である。

ちなみに、ハリウッド映画を例にあげると、予算規模別にBig budget(1億ドル以上)、Medium budget(3,000-7,000万ドル)、Low / Micro budget(1,000万ドル以下)と分かれている。10億円の予算でもミクロなのだ。ビッグなゲームをプロデュースしたぜ!と思ってきたが世界規模のエンターテインメントでみるとミクロとは悲しい。

以前とある研修でハリウッドでプロデューサーをしているMichele Weissさんという方とお話しする機会があった。彼女にハリウッドの資金調達の仕組みについて聞いたところ、彼女のプロデュースした40億円くらいの予算の映画では、全リスクを会社側で持てるのだという。それだけマーケティングにより当たる確度が高められており、回収見込みが立っているのだ。それ以上の予算になると日本で言う「制作委員会方式」とか、「ハリウッド型」の資金調達が必要になってくるそうだ。ちなみに、Michele Weissさんの旦那さんは脚本家で、ゲームの脚本も書いているそうだ。映画とゲームの業界もいよいよ近づいてきたな、と感じる。

私が留学予定のUSCは、日本では知名度が低いもののエンターテインメント分野では全米No.1の大学であり、全米のMBAで唯一「Graduate Certificate in the Business of Entertainment」というエンターテインメントビジネスに特化したプログラムを提供している。昨年の就職先一位はゲーム会社のエレクトロニック•アーツだ。日本のエンターテインメント業界からMBAを目指す方は皆無に等しいと思うが、是非多くの人に来てもらいたいと思う。今日本はソーシャルゲームバブルに沸いているが、ハイクオリティ&高予算化が進むことにより、また最終的にはアメリカにシェアを奪われるだろう。もうアプリの開発予算は1億を超えてきている。手遅れになる前になんとかしたいものである。

 

2について。習うより慣れろ、ということでアメリカのエンターテインメントビジネスについてより深く学ぶには実践しかない、つまり現地の企業で学ぶより他になしと思っている。そして潜り込むにはなんとかコネを作ってインターンのチャンスに賭けるしかない。就労ビザなどの問題で日本人が現地で就職するのは極めて厳しいと言われているが、トライする価値はあると思っている。