ダレル・ロイヤルの手紙

ダレル・ロイヤルの手紙

先日伺った高校の生徒達が書いてくれた授業のアンケート結果をもらった。

厳しいコメントを想像して見るまではドキドキしたが、無記名なのにみんな前向きで素敵なコメントを書いていてくれて本当に嬉しい。私がゲームという生徒になじみのある仕事をしていたことも良かったのかもしれない。みんなのコメントはアメリカまで持っていくよ!

※追記 なんと生徒の一人が進路指導の際に「ゲームプロデューサーになりたい」と言っていたそうな。こんなに嬉しいことはない!!!!

以前、自分がプロデュースしたゲームの総プレイ時間を出したことがある。確か数万年という単位だった。それだけ多くの方が人生の大切な時間を使ってくれているというのは、売上よりも利益よりも嬉しい。ただし、そういった娯楽よりも人生にとってより重要なのはやはり仕事や勉強であり、ゲームで気晴らしをすることがその後の人の生き方に影響を与えることは稀である。

先生という職業は、それとは対極であり、相手の人生に介入できる総時間はゲームプロデューサーよりもずっと少ない。ただし、それぞれの人生に与える影響は極めて大きい、やりがいのある仕事だと思った。

授業の最後に「ダレル・ロイヤルの手紙」という文章を朗読させてもらった。ダレル・ロイヤルさんという大学のアメフトコーチがチームの学生に送った手紙のようだが、原文の存在が明らかになっておらず真偽は定かではない。ダレル・ロイヤルさんは昨年88歳で亡くなられたそうだが、大変な名コーチだったらしい。私はGIGAZINEで7年程前にこの文章を知り、つらい時度々勇気づけられた。漫画アイシールド21でも取り上げられたことがあり、それがきっかけで生徒の何人かはすでに知っていた。多くの人に知ってほしい文章なので、以下に転載したい。

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親愛なるロングホーン諸君

打ち負かされる事自体は、何も恥じるべき事ではない。打ち負かされたまま、立ち上がろうとせずにいる事が恥ずべき事なのである。ここに、人生で数多くの敗北を経験しながらも、その敗北から、はいあがる勇気を持ち続けた、偉大な男の歴史を紹介しよう。

1832年 失業

1832年 州議選に落選

1833年 事業倒産

1834年 州議会議員に当選

1835年 婚約者死亡

1836年 神経衰弱罹病

1838年 州議会議長落選

1845年 下院議員指名投票で敗北

1846年 下院議員当選

1848年 下院議員再選ならず

1849年 国土庁調査官を拒否される

1854年 上院議員落選

1856年 副大統領指名投票で敗北

1858年 上院議員、再度落選

そして1860年、エイブラハム・リンカーンは米国大統領に選出された。

諸君も三軍でシーズンをむかえ、六軍に落ちる事があるかもしれない。一軍で始まり、四軍となるかもしれない。諸君が常に自問自答すべき事は、打ちのめされた後、自分は何をしようとしているのか、という事である。不平を言って情けなく思うだけか、それとも闘志を燃やし再び立ち向かっていくのか、ということである。今秋、競技場でプレーする諸君の誰もが、必ず一度や二度の屈辱を味わうだろう。今まで打ちのめされた事がない選手など、かつて存在したことはない。ただし、一流選手はあらゆる努力を払い、速やかに立ち上がろうと努める。並の選手は立ち上がるのが少しばかり遅い。そして敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである。

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